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Still With You / JungKook, BTS歌詞 日本語訳 考察

 


2020.06.05 2020年のフェスタの5日目に

ジョングクの自作曲が公開されました。

勢いで訳して、そのまま考察もしてみたので

ざっとまとめています。

 

 

曲はこちらから

https://soundcloud.com/bangtan/thankyouarmy2020

 

動画はこちら

https://youtu.be/hEk0gVKTvEo

 

 


まずは歌詞の日本語訳から!

(韓国語の歌詞は、動画よりご確認ください)

 

 

 

 

僕に掠っていく君の淡いあの声

僕の名前をもう一度だけ呼んでください

凍った夕焼けの下 立ち止まっているけど

君に向かって一歩ずつ歩いて行きます

Still With You

 

暗い部屋、照明一つもなく

慣れたらダメなのにそれにまた慣れてるよ

 

低く聞こえるこのエアコンの音

これでもなかったら

僕は本当に崩れてしまいそう

 

一緒に笑って一緒に泣いて

この単純な感情が

僕には全部だったみたい

 

いつ頃かな

また君に向き合うのなら

目を見て言います

会いたかったです

 

恍惚とした記憶の中に

僕一人で踊っても雨が降ってるじゃん

この霧が晴れる頃

濡れた足で走っていくよ

その時は僕を抱きしめて

 

あの月が寂しく見えて

夜空に明るく泣いているようで

いつか朝が来るのを知っていながら

星のように君の空に留まりたかった

 

一日を、その瞬間を

こうなるって分かっていたら

もっと込めておいたのに

 

いつ頃かな

また君に向き合うのなら

目を見て言います

会いたかったです

 

恍惚とした記憶の中に

僕一人で踊っても雨が降ってるじゃん

この霧が晴れる頃

濡れた足で走っていくよ

その時は僕を抱きしめて

 

僕を見つめるかすかな笑顔の裏側に

美しい紫の光を描いてみます

お互いに歩調が合わないかもしれないけど

君と一緒にこの道を歩きたいです

Still With You

 

 

 

 

 

 

***


では、順に考察していきます

 


最初の歌詞です

「僕に掠っていく君の淡いあの声

僕の名前をもう一度だけ呼んでください

凍った夕焼けの下 立ち止まっているけど

君に向かって一歩ずつ歩いて行きます

Still With You」


まず、ここのエフェクトがざらついたラジオのようなものですね。ラジオの向こうから聞こえてくるような、遠い声。届かない思いを描写しているように思えました。


「掠っていく」君の「淡い」声。

掠っていく=過ぎ去ってしまって今はもうない。

淡い=ぼんやり、曖昧。

今もう自分の近くにはない、ぼんやりした『君』を思い出したい、はっきりさせたい。その為に『僕』は「もう一度だけ」君に名前を呼んでほしい、と言いました。

そして「凍った夕焼けの下」=時が止まった場所。

時が止まったところで今は立ち止まっているけれど、一歩ずつ、止まった時間を動かそうとしています。

 

 


「暗い部屋、照明一つもなく

慣れたらダメなのに

それにまた慣れてるよ」


暗い部屋、照明もない=一人ぼっち、孤独を描写しています。部屋=閉鎖的空間 のため、「閉じこもることに慣れてしまってはいけない」と思っているけれど、慣れてしまっている自分がいる、と「理想と現実の乖離」についても語っています。

 

 


「低く聞こえるこのエアコンの音

これでもなかったら僕は本当に崩れてしまいそう」


ここでのエアコン=部屋に必ずあるものです。エアコンの音が静かにエアコンの存在感を表しています。つまり、この音がなければ『僕』は「完全に一人ぼっちである」という現実を噛み締めて、心が壊れてしまいそうだ、と言っています。エアコンという無機質なものが辛うじて『僕』を『僕』たらしめるものとしている。

つまり、ここまでの歌詞では、『僕』は一人ぼっち。『君』はいません。

 

 


「一緒に笑って一緒に泣いて

この単純な感情が僕には全部だったみたい」


ここの歌詞は『僕』と『君』の思い出話、記憶を辿って初めて「自分はこうだったんだ」と気付く『僕』の話です。これ以前の歌詞はモノクロの現実、この歌詞はカラフルな過去、を描写しています。また、「単純な感情」と敢えて書いたことには、『君』の存在感を際立たせる効果があるように思います。『君と』することなら何でも全てだった、というような描写をするための歌詞かな?と。

 

 


「いつ頃かな また君に向き合うのなら

目を見て言います 会いたかったです」


1番最初の歌詞で「止まった時を動かそうとしてる」という話をしました。つまり『僕』は一歩ずつ歩いている。『君』に近づいている。もしかしたらいつか「君』に会えるかもしれないことを期待しています。その時には、今の自分の現状を踏まえて、一言、1番伝えたかった言葉を、「目を見る」ことによって、まっすぐ嘘偽りなく伝えたいという感情が読み取れます。

 

 


「恍惚とした記憶の中に

僕一人で踊っても雨が降ってるじゃん

この霧が晴れる頃 濡れた足で走っていくよ

その時は僕を抱きしめて」


恍惚とした記憶=輝かしい、明るい、眩しい記憶のことだと思います。多分『君』との記憶のことかと。そして「雨」は悲しみ、無情さを示しています。

霧=『自分』を覆う憂鬱さ、悩み、闇です。

君との眩しかった記憶にすがって『僕ひとり』でどうにかしようと足掻いてもどうにもならない。でも、自分を覆う闇が晴れたなら、濡れた足を拭くこともせず、すぐに会いにいく。だから抱きしめてほしい、受け止めてほしい。という歌詞です。

『君』への想いがこの一つ前の節から強くなってますね。

 

 


「あの月が寂しく見えて

夜空に明るく泣いているようで

いつか朝が来るのを知っていながら

星のように君の空に留まりたかった」


ここの歌詞本当に好きです。

「君の空に=月のいる空」という感覚を持ったので、月=『君』だと仮定しています。

明るく見えるものというのはそのままの通りの印象をもたらします。つまり、明るく見えるものが泣いているように見える=感情の不安定さを垣間見せる描写です。明るく泣いている=辛さを見せないように明るく振る舞いながら泣いている、そんな感じのニュアンスですね。

いつか朝が来る〜…=夜は必ず明ける、という意味です。つまり、終わりがあるとわかっているということ。『自分』が別に特段何かをしなくても、そのままで問題がないということ。

星のように〜…=ここでの「星」は前の歌詞にある「エアコン」と一緒で、何か影響を与えるわけではなくても、「ただ隣にいたい」という気持ちを描写している感じがしました。

 

 


「一日を、その瞬間を

こうなるって分かっていたら

もっと込めておいたのに」

「いつ頃かな また君に向き合うなら

目を見て言います 会いたかったです」


こうなるってわかっていたら=今の離れ離れになっている現状 です。

わかっていたらもっとこうできたのに、という後悔があるからこそ、離れ離れになった今を過ぎて次『君』に会う時には「会いたかった」と伝えたいという気持ちがより強くなったという描写をされています。

同じ歌詞を二度繰り返すことで、強調、印象づけがされています。

 

 


「恍惚とした記憶の中に

僕一人で踊っても雨が降ってるじゃん

この霧が晴れる頃 濡れた足で走っていくよ

その時は僕を抱きしめて」


さっきの歌詞と同じくほぼ同じ歌詞で繰り返し。

『君』がいない喪失感と、だからこその「会いたい」という想いがより強調されています。

そして日本語で同じ「抱きしめて」という意味で訳したこの歌詞ですが、先に出てきた方は“안아줘”、今回は“잡아줘”という言葉です。

どちらも訳すと「抱きしめて」なんですが、後者の方が「強く抱きしめて」「離さないで」という強いニュアンスが含まれています。

二度目の歌詞で強調されているということがここでもわかります。

 

 


「僕を見つめるかすかな笑顔の裏側に

美しい紫の光を描いてみます

お互いに歩調が合わないかもしれないけど

君と一緒にこの道を歩きたいです

Still With You」

 

最後の歌詞です。

ここのエフェクトは最初と同じく、ざらついたラジオの向こうから聞こえるようになっていますね。

つまり、現実のことではないと思います。

未来のことなのか、想像のことなのか…。


ただ、歌詞を読んでみると、序盤では「ぼやけていた」『君』の姿が随分とはっきりわかったように見えます。そして僕を見つめる=『僕』の目を『君』が見ている、という、これまで出てきた歌詞も回収されています。

笑顔の裏側=見えない部分。その見えない部分に美しい紫の光を描いてみる、と。「紫」はARMYならみんな知っている「ボラへ」の紫。「紫するよ」の意味は「相手を信じてお互いに永く愛し合おう」という意味ですよね。つまり、『君』笑顔の裏にそのような意味を見出したわけです。

そして、『僕』と『君』が離れている間、お互いがそれぞれの道を歩いてきたわけで。歩幅も違って、少しぎこちなくなってしまうかもしれないし、また遠くなってしまうこともあるかもしれない。

それでも、そんなことがあるかもしれないけど、「君と一緒に歩きたいな」という、『僕』の確固たる想いがここで初めて現れるんです。

 

 

 

 

 


長くなりましたが、歌詞の解説は以上です。

 


全体として纏めると、

敬語文とそうでない分が入り混じること、そして歌詞から「不安定な心」を強く描写した曲だなという印象です。

ピアノの音も雨を意識させるような、和音の伴奏だなと思いました。そして雨の音が入っていましたが、その「雨」は『僕』の心、世界なんだろうなとも考えました。


「離れて初めて気付くこと、初めて思う愛しさ」がテーマなんでしょうか。

灰色だった歌が、最後の歌詞で初めて色付くような、そんな印象を受けました。


ジョングクの初めて作った曲。

どこか시차とかぶる部分もあって、ジョングクの心の中を少し覗き見した気分になりました。


URLもthankyouarmy2020、と、愛に溢れるこの曲。

今のご時世で会えないARMYに向けたラブソングのように思えて、胸がいっぱいです。

 

 

勢いで書きました。

お粗末さまでした。